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「相続分の譲渡」とは

更新日:2021年8月24日


■遺産相続争いからの離脱


相続人同士で相続財産の分割について揉めていて、なかなか合意に至らず長引きそうだという場合、遺産はいらないから、相続人同士の争いから抜け出したいという人もいるでしょう。


そのような場合、自分以外の第三者に「相続分の譲渡」をして、相続争いから離脱することが可能です。


ここでいう第三者は、共同相続人のうちの一人でもいいですし、相続人でない人でも構いません。

また、「相続分の譲渡」は、譲渡人、譲受人双方の合意により、無償で譲ることも、有償で譲ることも可能ですし、相続分の全部を譲渡することも、そのうちの一部を譲渡することもできます。


相続分を他の共同相続人に譲渡すると、譲渡した割合だけ、譲渡を受けた相続人の相続分が増えることになります。

そして、相続分の譲渡を行えば、譲渡した人は協議をする必要はなくなると同時に、遺産分割協議をするべき相続人が減ることになるので、協議が円滑に進むことが期待できます。


他方、相続分を無関係の第三者に譲渡することは、場合によっては相続争いをさらに複雑にするなど、別のリスク要因となりかねません。もちろん、まったく関係のない人に譲渡するということは考えられず、概ね、共同相続人の一人か、もしくは譲渡人自身の親族など、何らかの関係者に譲渡することになると思います。





■相続放棄との違い


相続分の譲渡は、遺産の中の特定財産に対する持分ではなく、財産も債務も含めた包括的な遺産全体に対する法律的地位の譲渡です。したがって、遺産すべてを放棄する相続放棄に似ています。


相続放棄との違いとしては、下記のような点があります。


まず、相続放棄は家庭裁判所への申述が必要となりますが、相続分の譲渡は譲渡人と譲受人の合意のみによって可能という点です。

したがって、家庭裁判所を通す分だけ、相続放棄の方が若干、煩雑な手続きということはできるでしょう。

もっとも、相続分の譲渡も、合意のみとはいえ、争いを避けるため、必ず相続分譲渡の合意を書面で残しておく必要があります。その内容としては、どの被相続人の相続分について、誰が誰に、どれだけの相続分を譲渡したのかが特定できるようにします。具体的には、「相続分譲渡証書」として、被相続人の情報と、相続分を譲渡した旨、及び、相続分の譲渡人と譲受人の住所と氏名等を記載して押印します。

ちなみに、この相続分譲渡証書を登記申請に使用する場合には、相続分を失う譲渡人は実印で押印し、印鑑証明書を添付する必要があります。


また、相続分の譲渡は譲受人のみがその相続分を取得することになるため、他の共同相続人の相続分には影響を与えないのに対し、相続放棄の場合は、他の各共同相続人がそれぞれの相続分に応じて放棄した人の相続分を取得することになるという相違点もあります。


いずれの方法を選択することが適切なのかは、個々の事情により異なります。

税務関係も含め、メリット、デメリットをよく検討してから、相続分の譲渡を行う必要があります。



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