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「相続登記」と権利証

更新日:2021年8月24日

相続開始が開始すると、亡くなった方(被相続人)から不動産を承継する人に所有権を移転するための登記申請をすることになります。いわゆる「相続登記」です。


被相続人から法定相続人に対して、不動産の所有権を移転する際の登記申請には、権利証等(登記済証、登記識別情報)を添付する必要はありません。


民法896条本文で「相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。」と規定されている通り、相続は包括承継であって、相続による所有権移転は、所有者の意思による所有権移転とは性質が異なるため、権利証の添付が不要となるものと考えられます。


これに対し、被相続人が遺言で相続人以外の人に不動産を遺贈した場合、それはまさに所有者たる被相続人の意思による所有権の移転ですし、その登記原因は「遺贈」であって「相続」ではありません。

この場合は、登記申請手続に権利証等の添付が必要となります。


それでは、登記実務の観点において、被相続人から相続人への所有権移転登記を申請する際に、権利証を確認する必要がないか、というと、そういうことではありません。


相続の対象となる不動産が自宅として使っている土地と建物だけ、という場合でも、不動産はその二つのみとは限りません。

もしかしたら、土地は相隣接する複数筆の土地かもしれませんし、その土地の前の道が私道であれば、隣近所とその私道持分を共有しているかもしれません。

さらに建物は区分された専有部分を所有しているのかもしれず、はたまた居住家屋とは別の場所に持分を持っている可能性もあります。


そのような事情は、不動産の登記事項証明書を見ただけでは明確にならないことも少なくないのです。


そのため、被相続人から相続人への所有権移転登記であっても、被相続人の不動産を正確に把握するため、相続登記を申請する際に必ず権利証等を確認する必要はあります。


また、場合によっては、「名寄せ」と呼ばれる不動産の評価証明書、さらに公図や閉鎖登記簿等を確認する必要があることもあります。


したがって、相続登記だから権利証が不要、というわけではなく、あくまでも相続人への所有権移転登記申請の際に、権利証等が添付書面とならないということにすぎません。


もちろん、権利証をなくしてしまった場合に登記申請ができないというわけではなく、代替手段はもちろん残されていますが、これも場合によっては割と面倒な手続を踏むことになりかねません。


つまるところ、不動産の権利証等は大切に保管しておくことが重要ということです。




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