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事業承継における黄金株(拒否権条項付株式)の活用と注意点

更新日:2021年1月27日

事業承継を検討していて、後継者も概ね決まっているけれど、今すぐの承継は考えていないので、しばらくは現オーナーが経営を続け、後々の事業承継に備えておきたい、という場合に、検討したいのが拒否権条項付株式の活用です。


拒否権条項付株式とは、株主総会等の決議に対して、拒否権を行使することができる株式です。

株主総会だけでなく、取締役会の決議についても拒否権を行使できるように定めることができるので、代表取締役の選定にも拒否権を持たせることができます。


このように、拒否権条項付株式は、その定め方によっては、会社経営に対してかなり強力な権利を持つことになるので、「黄金株」と呼ばれています。


事業承継における「黄金株」の活用

例えば、中小企業のオーナーが高齢になり、いずれは後継者に事業を承継することを考えているのだけれど、まだ後継者が若く、経営者としては十分に育っているとはいえないため、経営権の移転をすることは少し先になりそうだ、という場合に、「黄金株」を発行します。

そして、その他の普通株式を後継者へ譲渡して、抑制力として現オーナーが黄金株を保有しておけば、いざというときには決議に際し、黄金株を行使することで、自分の地位を確保しておくことができます。


このような目的で発行する「黄金株」であれば、1株だけ発行して、オーナーが保有していれば十分その効力は発揮できます。


「黄金株」の注意点

「黄金株」を保有していれば、株主総会決議や取締役会決議に拒否権を発動できるのですから、その威力は膨大です。裏を返せば、他者の手に渡るなどして、その権力を握られてしまうことにもなりえます。

例えば、オーナーが急死するという事態となったとき、オーナーが後継者としては望んでいなかった者に、その強大な拒否権を与えかねません。つまり、「黄金株」は強大な力を持つだけに、危険な株式でもあるのです。


そこで、「黄金株」を発行する際には、通常は1株のみの発行とし、その所有者と会社との関係が途切れた際には、会社が強制的に取得できるように、取得条項付株式として発行しておくことが必要です。


「黄金株」は大変強力な効力を持つゆえに、危険なものでもあります。

メリットとデメリットを把握したうえで、個々の事案に合った活用を検討することが大切です。



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