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家族信託と後見制度の関係

更新日:1月4日

 財産管理・承継のツールとして昨今、話題となっている家族信託(ここでは、民事信託のうち、家族で契約する信託を特に「家族信託」と呼ぶことにします。)ですが、同じく財産管理のための制度の一つである成年後見制度とはどのような違いがあり、どのような特徴があるのでしょうか。二つの制度の相違点や関係性について、ご紹介します。


各制度の目的

 成年後見制度は、認知症や精神障害などで判断能力を喪失された方のための身上保護や財産管理を目的とする制度です。この点では、判断能力喪失後の制度である法定後見でも、事前に契約により設定する任意後見でも変わりません。

 一方、家族信託は、財産管理と財産承継のための制度ですので、財産管理の点では共通しますが、身上保護を目的とするか否かという点で、両制度は異なります。

 

対象となる財産

 成年後見では、ご本人(「被後見人」といいます。)の財産を、成年後見人が包括的に管理することになりますので、代理権の範囲や対象財産を任意に選ぶことはできません。

 一方、家族信託では、対象とする財産を選択して設定することができます。

 なお、判断能力がしっかりしているうちに契約により設定する任意後見の場合には、対象財産を選んで代理権を設定することができます。


財産の活用

 成年後見制度は、あくまで被後見人の利益保護のための制度ですので、被後見人の財産をその身上保護を目的として管理することが求められ、自由な運用などは認められていません。

 他方で、家族信託においては、受託者には原則として身上監護権は与えられませんが、財産管理はもちろん、財産の処分も受託者に任せることができます。また、受益者(利益を受ける人)を本人以外の人に設定することもできるので、かなり柔軟に財産を活用することが可能です。


制度の終了

 成年後見制度では、被後見人の死亡により、制度は終了し、その管理財産の清算事務手続きに入ります。

 一方、家族信託では、死亡の場合の財産の承継を決めておくことができ、継続的な財産管理を設定することが可能です。例えば、受益者の死亡により信託契約を終了させることもできますし、帰属権利者等として指定されていた方に残った財産を承継させることや、信託財産を第二次受益者として設定されていた方に給付するということもできます。



 家族信託と成年後見制度は、その特徴を補完しあう関係にあり、どちらかを利用すれば、他方は不要というものではありません。場合によっては、各制度を併用することで、それぞれの制度のメリットを生かした設計を検討する必要があるでしょう。





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