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相続登記と被相続人の戸籍

更新日:2021年8月24日

相続手続に必要となる「出生から死亡までの全戸籍」


 不動産の所有者が死亡し、その方の相続が開始すると、相続登記をすることになります。

相続登記など相続の手続でもっとも煩わしい作業の一つが、「被相続人(お亡くなりになった方)の出生から死亡までの全戸籍を収集する」という作業でしょう。


 もし、被相続人が、生まれてから亡くなるまでほぼ同じところで生活していた場合などは、出生から死亡までの全戸籍と言っても、一つの役所に請求すればこと足りますから、大した手間は必要ありません。

 しかし、一生のうち、かなり広い範囲での転居を繰り返していたり、都道府県をまたいで結婚や離婚、縁組や離縁などの身分行為を経験していたりすると、全ての戸籍を収集するためにはそれなりに労力を使うことになります。


 戸籍は戸籍のある役所等でしか取得することができません。また、郵送で取得することも可能ですが、その場合手数料を定額小為替で支払うことになります。定額小為替は郵便局で買うことができ、普通郵便での送金に使えるので大変便利なものではありますが、定額小為替一枚につき100円の手数料がかかります。

 郵送で行う場合の往復の郵便料金や手間暇も含めて考えると、多くの戸籍を取得する人にはそれなりの負担がかかります。




「被相続人の出生から死亡までの全戸籍」が不要となる場合


 相続登記の際に、原則として必須となるこの「被相続人の出生から死亡までの全戸籍」も、一定の場合には不要となります。

 まず、被相続人の有効な遺言がある場合の相続登記では、被相続人の戸籍は最後の戸籍(除籍)だけで足り、出生から追う必要がありません。遺言の中で遺産を相続することとなった相続人の現在戸籍が、被相続人の除籍と同じであれば、必要な戸籍は一通で足りることもあり得ます。

 また、遺産分割調停や審判といった家庭裁判所の手続により遺産分割がまとまった場合、相続登記の際には、調停調書や審判書を添付することで、被相続人の出生から死亡までの全戸籍を省略することができます。もっとも、これは、調停や審判の際に既に当該全戸籍を収集して裁判所に提出しているため、相続登記の際に不要というだけで、実際に全戸籍を収集する作業は既に行っているからに他なりません。

 また、法定相続情報一覧図を添付する場合も、「被相続人の出生から死亡までの全戸籍」の添付は不要ですが、上記と同様に、一度は戸籍を収集し、法務局に法定相続情報一覧図の交付請求をする必要があります。つまり、戸籍収集作業自体を省けるというわけではありません。


 大変面倒で煩わしいことの多い戸籍収集作業ではありますが、被相続人の戸籍を追うことで、その人の生きてきた時代や環境が垣間見られることもあります。考えようによっては、親族の歴史を確認するいい機会ともいえそうです。


※ 有効な遺言がある場合に「被相続人の出生から死亡までの全戸籍」が不要となるというのは、あくまでも相続登記の申請において「被相続人の出生から死亡までの全戸籍」が添付書面とならない、という話です。他の相続手続においては、遺言の有無にかかわらず「被相続人の出生から死亡までの全戸籍」を求められることもありますので、ご注意ください。


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