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上場会社等の社外取締役設置義務

更新日:2021年6月1日



従前(平成26年の改正会社法)は、上場企業等の社外取締役設置は法的義務ではなく、社外取締役が未設置の場合については、その理由の説明を求められているという建付けでした(改正前会社法第327条の2)。


今般の改正(令和元年改正)では、上場会社等(具体的には、公開会社であり、かつ、大会社である監査役会設置会社のうち、その発行する株式について有価証券報告書を提出しなければならない株式会社)においては、社外取締役の設置自体が法で義務付けられることになりました(改正後同条)。


実際には、改正前の時点で既に多くの上場会社等で社外取締役は設置されており、東京証券取引所の全上場会社における社外取締役の選任比率は、令和元年7月調査時点においては約98.4%(市場第一部では約99.9%)となっています。


社外取締役には、全ての株主の共同の利益を代弁する立場にある者として、会社経営の監督を行うことが求められています。さらに 、経営者と少数株主との利益相反の監督を行うという役割を果たすことが期待されています。


そうした趣旨から、社外取締役になれる人の要件は、簡単にいうと、以下のように定められています。


1.就任以前の10年間、その株式会社や子会社の業務執行取締役などに就いたことがないこと。


2.就任以前の10年間に、その株式会社や子会社の取締役、監査役だったことがある場合は、その役員就任以前の10年間に、業務執行取締役などに就いたことがないこと。


3.その会社の経営を支配している者又は、親会社等の取締役などでないこと。


4.その会社の兄弟会社の業務執行取締役でないこと。


5.その会社の取締役などの配偶者又は二親等内の親族でないこと。


(正確には会社法第2条15号参照)


このような者を社外取締役として会社に置くことで、業務執行者から独立した立場で、経営の監督を行うことが求められているのです。


国内外の機関投資家及び金融商品取引所などからは、コーポレートガバナンスを実効的に機能させ、我が国の資本市場が信頼される環境を整備する観点から、上場会社等には、最低限の基本的な要件として 、画一的な社外取締役の設置が期待されていました。


そこで、改正法においては、我が国の資本市場が信頼される環境を整備し、上場会社等については、社外取締役による監督が保証されているというメッセージを内外に発信するため、今般の義務付けを法定したものと考えられます。


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