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相続登記の手続:不動産オーナーが知っておきたいポイント

  • 執筆者の写真: ゆかり事務所
    ゆかり事務所
  • 12 時間前
  • 読了時間: 7分

相続登記の手続は、多くの人にとって一生に何度もある話ではなく、特に初めての方にとっては、複雑なことも多く不安になることもあると思います。

ただ、不動産オーナーやその推定相続人の方々にとって、相続登記やそれに伴う生前対策は避けて通ることのできない問題でもあります。

今回は、相続登記について不動産オーナーの方々が知っておきたい手続きのポイントを、なるべくわかりやすくお話ししていきます。不動産オーナーの方やその推定相続人の方、これから相続登記の手続を考えている方に、ぜひ参考にしていただければと思います。



相続登記の基本を押さえよう


まずは、相続登記の基本を理解しましょう。相続とは、亡くなった方の財産や権利を法定相続人が引き継ぐことです。土地や建物などの不動産もその対象になりますが、これらの権利の承継を公示し、権利を保全するためには「登記」の申請が必要です。


登記とは、不動産の所有者や権利関係を公的に記録し公示する手続きのこと。不動産オーナーに相続が発生したら、権利を承継する相続人が登記を申請しなければなりません。この手続を「相続登記」といいます。


昨今、所有者不明の不動産が増え、社会的な問題となったため、2024年(令和6年)から、相続登記が義務化され、原則として相続開始から3年以内に登記申請をすることが必要となりました。相続登記をしないままだと、スムーズに売却や担保設定ができず、また、時間がたって相続関係が複雑になると、意見をまとめるのも難しくなるため、トラブルの原因にもなりかねません。相続手続はなるべく早めに着手するようにしましょう。


相続登記は原則として相続開始から3年以内に登記申請すればよいですが、相続税がかかる場合、相続税の申告は相続開始から10ヶ月以内に行う必要があります。相続財産において高額な不動産が多くを占める場合は、納税するための金銭を確保する必要があるため、早めに相続人や相続財産を確定させる必要があります。


相続登記のポイントは以下の通りです。


  • 相続登記とは、被相続人所有の不動産の承継手続

  • 相続登記の申請は概ね3年以内にする必要がある

  • 相続税がかかる場合は10ヶ月以内に税務申告が必要


Eye-level view of a legal office desk with documents and a pen
Eye-level view of a legal office desk with documents and a pen

相続登記の手続きの流れと必要書類


相続登記を行うには、いくつかのステップと書類の収集が必要です。ここでは基本的な流れをご説明します。


  1. 相続財産の確定  

    まず、被相続人(亡くなった方)の所有不動産を正確に把握する必要があります。


    不動産を把握するためには、固定資産税納税通知書(毎年4月~6月に届く通知書)を確認したり、名寄帳を取得したりすることが考えられます。


    例えば家の近くの道路をご近所の皆さんで共有し持分で所有している場合でも、固定資産税が課税されていない土地は、固定資産税納税通知書や名寄帳には記載されないことが多いです。不動産の把握は、固定資産税納税通知書や名寄帳だけではなく可能な限り不動産の権利証(登記済証や登記識別情報)を確認した方がよいでしょう。


    また、近年できた新しい制度で、「所有不動産記録証明制度」というものがあります。法務局が、所有不動産の一覧をリストで出してくれるという制度で、所有不動産の把握にはうってつけの制度ですので、利用をご検討いただければと思います。


    所有不動産記録制度についてはこちら


  2. 相続人の特定

    相続財産の把握と同時並行して、法定相続人の特定作業を進めましょう。

    具体的には、被相続人の出生から死亡までの全ての戸籍を管轄の役所に請求し、その内容を確認し、法定相続人を特定します。

    戸籍収集の過程でご家族が把握していなかった相続人が見つかることもしばしばありますので、相続人確定前に遺産分割協議書を作成することは基本的にはできません。

    相続人特定に必要な書類は概ね下記のとおりです。  

    1. 被相続人の戸籍謄本、住民票除票

    2. 相続人全員の戸籍謄本

    3. 不動産を承継する相続人の住民票

      

  3. 遺言がある場合、遺言内容を確認し、執行する

    被相続人が遺言を作成していた場合は、その内容を確認します。遺言執行者が定められていたら、まず遺言執行者に被相続人死亡の事実を伝え、速やかに遺言の内容を実現する作業をしてもらいます。これを遺言執行といいます。


  4. 遺言がない場合は遺産分割協議を行う

相続人全員で遺産の分け方を話し合います。この作業を遺産分割協議といいます。

相続人が複数いる場合は、遺産分割協議がスムーズに進まない可能性もあります。特に不動産は分割が難しいため、分割するには金融資産など他の財産も把握し、分け方を検討します。相続不動産が空家になるのであれば、共有名義にして売却し、換価して分けるという方法もあります。ともかく、相続人全員で話し合い、遺産の分け方について法定相続人の全員で合意を形成することが必要です。合意内容は「遺産分割協議書」にまとめます。

なお、遺産分割協議書には、各相続人が実印で押印し、印鑑登録証明書を添付します。


相続人間での遺産分割協議がまとまれば、あとは必要書類を揃えて管轄法務局に相続登記の申請をします。


この流れは基本ですが、ケースによっては、別のやり方の検討が必要となることもあります。共有名義の調整をする、隣地との境界を確定する、相続放棄を検討する、といった諸々の作業などが加わることもあります。自分なりに進めても、実は誤った方法を取っていることも考えられますので、専門家に相談しながら進めると安心です。


相続登記の相談はどこでできますか?


「相続登記の相談をしたいけど、どこに行けばいいの?」と迷う方も多いかもしれません。お住いの自治体の主催で、相続の無料相談を定期的に開催していることがあります。お住いの市区町村の広報誌を見てみてください。平日の決まった時間や土日に、司法書士を招いて相続登記の相談会が開かれていることもあるかと思います。

また、各法務局では、予約制で登記手続相談をすることができます。ただ、法務局が行っているのはあくまで手続の相談なので、実体上の判断(遺産分割協議の方法や内容の確認)は行うことができません。


司法書士は登記の専門家であり、相続登記の手続全般を代理して行うことができます。

最近はオンライン相談や申請にも対応している司法書士事務所も増えています。忙しい方や遠方の方でも気軽に依頼できるのは大きなメリットです。

相続登記を含む登記手続については、何はともあれ司法書士に相談することが肝心です。



High angle view of a consultation room with a lawyer and client discussing documents
High angle view of a consultation room with a lawyer and client discussing documents


早めの相談がトラブル回避のカギ


相続や登記の問題は、放置するとどんどん複雑になり、事態は悪化することが多いです。

「まだ時間があるから」と先延ばしにせず、早めに相談することが大切です。専門家に相談すれば、必要な書類や手続きの流れを教えてもらえますし、遺産分割のアドバイスも受けられます。


また、相続税が課税される遺産状況であれば、相続税の申告期限もあるため、スケジュール管理も重要です。早めに動くことで、余裕を持って手続きを進められます。


相続登記の手続きは、人生の大きな節目の一つです。必要な手続は早めに着手し、なるべく早めに終了させることで、安心して次のステップに進めることでしょう。



生前対策の基本は遺言を作成すること


不動産オーナーの方には、相続が開始する前に、将来を見据えた生前対策をしていただきたいと思います。

手っ取り早いのは、遺言を作成することです。

明日どうなるのが分からないのが人生です。不動産は貴重な財産ですし、その他の財産の帰すうも検討する必要はあるので、可能な限り公正証書遺言の作成をお勧めしたいです。


そうはいっても、順当にいけばあと60年は生きそう…という若い方が、公証役場までいってそれなりの費用を支払って公正証書遺言を作成することを躊躇する気持ちも分かります。


そんな方は、自筆証書遺言を法務局で保管してもらえる「自筆証書遺言保管制度」の利用を検討してみてはいかがでしょうか。

若干手間暇はかかりますが、自筆証書遺言でありながら、遺言執行のために通常は必要となる家庭裁判所での検認という煩雑な手続が要らないというメリットがあります。


自筆証書遺言遺言保管制度についてはこちらの記事をご覧ください。



ご相談は、司法書士・行政書士ゆかり事務所へ

相続・遺言・不動産登記・会社の登記に関するご相談は、司法書士・行政書士ゆかり事務所へどうぞ。

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