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定款に記載する「目的」の定め方

更新日:2021年8月24日

会社を設立するときに、決めなければならない重要な事項として、「目的」があります。

その会社でどんな内容の事業を行うか、ということを定めるもので、「目的」は定款に必ず記載するものですし、登記事項でもあるので世の中に公示されるものでもあります。


この会社の「目的」は、どのように定めたらよいのでしょうか。

設立後、遂行しようとする事業の「目的」を掲げるわけですが、もちろん、何を掲げてもいいわけではなく、個別具体的な事案に応じて、登記すべきでない、または、登記することができない「目的」も存在します。


では、「目的」は、どのような要素を基準に、その適否が判断されるのでしょうか。



「目的」を定める3つのポイント

ポイントは3つありまして、明確性、適法性、営利性です。

それぞれについて、簡単に見ていきたいと思います。


1.明確性


会社法が制定されてから、類似商号規制が廃止され、似たような商号を用いることについての要件が緩和された流れを受けて、「目的」の“具体性”については、登記官の審査対象とはならないとされています。つまり、「目的」が具体的であるということは、一応、必要な要件ではなくなったということです。

とはいっても、「目的」には“明確であること”が要求されるため、結局のところ、ある程度、具体的で、わかりやすい内容のものであることが求められます。


この「明確性」の意味内容としては、語句の意味が明瞭で一般的に理解できること、とされ、新しい業種や専門用語であっても、意味が明瞭で一般的に理解可能と評価されれば「目的」として認められます。

基準としては、国語辞典や現代用語辞典などに語句の説明があるかどうかといったことを目安に判断されるようです。

ですから、新しい事業名を用いる場合は、国語辞典や現代用語辞典を参照して語句を選択するとよいでしょう。


2.適法性


違法な行為や公序良俗に反する事業を「目的」とするのは、もちろんNGです。

よく問題となる点としては、行政の許認可が必要な業務を「目的」としてよいのか、というものがあります。


行政庁の許認可が必要な事業でも、会社が成立しないとその許認可は下りないため、その許認可業務をしていないからといって、その「目的」が直ちに問題となるわけではありません。

しかし、許認可を受ける気がさらさらないのに、許認可を要する業務を「目的」に掲げることは、そもそもあまり意味がありませんし、業種によっては、ほかの要件との関係で、問題となることがあります。

例えば、債権回収を業とする会社は、原則として「債権回収」という文字を商号中に入れなければなりませんが(債権管理回収業に関する特別措置法第13条第1項)、このような文字を用いることなく、「目的」に、「債権取り立て」や、「債権回収」を掲げることは許されず、そのような設立登記は受理されません。


会社というのは、登記によりその事業が公示され、法人格を得て社会的な存在となるのですから、きちんと準備をして、適法に業務遂行することは当然の前提です。


3.営利性


会社は、その活動を通じて得た利益を株主等に分配するものですから、その「目的」には営利性が求められます。したがって、収益を上げる可能性が全くない事業を「目的」として掲げることは、原則として認められません。

もっとも、利益を得られる可能性がある事業であれば、ある程度公益性の強い事業であっても、法で禁じられていない限り、「目的」として掲げることが広く認められます。


「目的」の具体的な文言の選び方

以上のような3つのポイントを考慮しながら、具体的にどのような文言にすればよいか、もっといえば、どんな文言なら登記が通るのか、ということは、実は意外と悩ましい問題です。

実際、設立登記に長けた専門家でもない限り、目的が通るか通らないかの判断は、意外と難しいものです。


そこで、不安でしたら、実際に登記が通った事例を参考にするのが、最も手っ取り早く、確実な方法です。

具体的には、同じような業務をしている会社の登記事項証明書を見ることです。


そこにある「目的」は、実体的な判断は置いておいたとして、文言としては登記が通った事例にほかなりません。

会社の登記事項証明書は、法務局で手数料を払って取得することができます。


つまり、実際の登記事項を参考にしながら、自身の設立する会社で遂行したい事業の「目的」を拾っていくわけです。

会社設立後、まさに始めようとしている業務のほか、将来的に行うことが考えられる業務も、上記の3つのポイントを外さない限り「目的」として掲げることができます。


迷った時は、司法書士などの会社設立手続の専門家にご相談ください。



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