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法定相続分を超える特別受益者がいる場合の相続分の算定方法

更新日:4月11日


【事例】
被相続人Aの相続人が、Aの配偶者であるB、AB間の子であるC・D・Eのみである場合に、CがAから相続開始前に生前贈与を受け、その贈与の価額が、C自身の法定相続分を超えたときは、Cを除いたB・D・Eの相続分の割合はどのようになるでしょうか。

上記事例のCは、Aから自身の法定相続分を超える贈与などを受けていることから、特別受益者にあたります(民法903条第1項)。特別受益者とは、相続権を有する相続人のうち、法定相続分を超えて遺贈や贈与を受け、または婚姻、養子縁組もしくは生計の資本として贈与を受けた相続人のことです。


このような相続人がいる場合、相続財産をそのまま法定相続分で分けることは公平とはいえないため、民法は特別受益に当たる価額を相続財産に持ち戻して計算する、という規定を置いているのです。


共同相続人の中に、C のように法定相続分を超える特別受益者がいるときの相続分の算定方法としては、その特別受益者を除いて相続分を計算するのではなく、特別受益者の有無に関係なく、原則通りの法定相続分を算出することが第一段階となります。

上記事例では、各相続人の法定相続分は、配偶者のBが持分6分の3、子のC・D・Eがそれぞれ6分の1となることから、Cを除いた相続人は、3:1:1の割合でAの相続財産を分け合うことになります。

上記事例では、Cに対してなされた生前贈与は、Cの法定相続分を超えているため、Cはこれ以上、相続分を取得しません。 結論としては、配偶者のBが持分5分の3、子のD・Eがそれぞれ5分の1の相続分を取得し、C は相続分を取得しないこととなります。


なお、仮にCが相続放棄を行った場合は、Cは初めから相続人ではなかったものとみなされますので(民法939条)、Bが4分の2、D・Eが4分の1ずつとなり、特別受益者がいる場合の相続分の割合と異なる結果となります。


また、これらはあくまで、上記事例について法定の割合で算出した場合どうなるか、という話ですので、共同相続人間の合意により、これと異なる遺産分割をすることを妨げるものではありません。





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